ふるさと紀行

7月30日(日)13:55~14:55

1963年、昭和38年に放送を開始した「ふるさと紀行」。
以降2007年、平成の年号にいたるまで、番組は時代を見つめ続けてきた。当時の番組企画書を振り返ると、常に問われている言葉がある。「失くしてはならないものとは何なのか」高度経済成長期・激動の変化の中で、冷静に立ち止まり、折々時代の価値観において、「失くしてはならないもの」を捉え、常に視聴者と共に「ふるさととは何なのか」を問い続けてきた。
時代は令和。国内だけでなく世界中が交錯するグローバル化の波、テクノロジーの進化は人と人とのつながり方に大きな変化を与え、時代の流れは、より速さを増した。新たに生まれた利便性、そして影 。一方では、その潮流の中で心の安堵を感じ取り難いのも事実。都会から地方に移住など、「新たな自分の居場所」を見出そうとする人たちが増えてきた。その場が、必ずしも生まれ育った場所を意味しないことは、近年の特徴のひとつであるのかも知れない。
~かつての時代より、ふるさとは多様化し、新たな定義が生まれ始めているのかもしれない~
生え始めた「新たなふるさとの姿とは」番組放送開始からちょうど60年となる今、改めて「令和における、ふるさととは何か」を考えます。

■岐阜市「鵜飼」から、見える、新旧ふるさとの情景
長良川鵜飼の鵜匠親子を捉えた、過去の放送。その子も今は大人に。このふるさとの情景は、一面的な伝統だけでは語れない。岐阜提灯、岐阜うちわ、芸妓さまざまな伝統芸能が折り重なる風景それが「ぎふ長良川鵜飼」。一方で、後継者不足は切っても切り離せない課題のひとつ。逆境を超えた先に、新しい世代が見出す、未来のぎふ長良川鵜飼のふるさとの姿とは。

■犬山祭と城下町
一度は閑散とした城下町も、新しい街つくりの取り組みから、かつての人の賑わいを取り戻した。
言わずとしれた国宝犬山城、ユネスコ無形文化遺産犬山祭。「犬山の代表的な情景」と言えるふるさとの光景は、変革という「昔と今」が織り成す場所。4月に行われる「犬山祭」を中心に町の姿を描く。

■日間賀島の日常
2023年3月日間賀島の中学校が閉校した。義務教育が島から無くなることは、島に何をもたらすのか。島を離れる選択をする人、島に残る選択をする人。そして島に新たに居をかまえ幸せを見つけようとする人も。いまも昔ながらの風景や文化、暮らしの姿が残る「島」。一方で、少子化社会で日本に起こりうる課題が最初に表面化する場所ともいわれている。

ナビゲーター

鷲見玲奈

ナレーター

高井一(東海テレビアナウンサー)