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原作・林真理子先生 「最高のオバハン」愛知ロケへ
2021.05.09
週末が楽しみになる!と評判のオトナの土ドラ「最高のオバハン中島ハルコ」。名古屋出身の毒舌スーパーレディ・中島ハルコ(大地真央)が、庶民のダメンズ女子・菊池いづみ(松本まりか)を舎弟のように扱いながら!?世の悩みや不正を忖度ナシの毒舌でバッサリ斬り倒していく痛快ストーリーに、SNSでは「面白すぎてハマる!」「最高のコンビ!」と早くもシリーズ化を希望する声も挙がっている。
原作は女の本音を鋭く描き出すことに定評がある林真理子。その小説『最高のオバハン』シリーズ*は、人気漫画家・東村アキコから熱烈なラブコールを受けてコミック*にもなった。多くの作品が映像化される人気小説家・真理子先生が本作のロケ現場を見学すると聞いて記者も同行。なお、本文では美のスーパードクター"ハルコ先生"に倣って"真理子先生"と下の名前でお呼びする。
*『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』『最高のオバハン 中島ハルコはまだ懲りてない!』(文春文庫刊)
**『ハイパーミディ 中島ハルコ』(「ココハナ」集英社)
原作者がロケ現場を訪問するというのはよくあることだが、今回は都内の現場でも、愛知の名古屋でもなく、地方の町まで足を延ばしてくださるとは、真理子先生の本作に対する期待の高さが伺える。見学1か所めは、額田郡(ぬかたぐん)幸田町(こうたちょう)の「幸田サーキットyrp桐山」。第2話で登場したレースシーンの撮影終了後、大地や松本と軽い挨拶を交わし、レーシングカーの前で記念撮影となった真理子先生。その3人の並びにカメラマンが「すごい豪華!」と声を上げ「先生もいい笑顔です!」と次々シャッターを切っていく。
その後、車で10分ほどの和食店「花翠(はなすい)」へ。見学2か所めで待っていた真魚(いづみの後輩・高田真央役)と田山涼成(ういろう屋「紫風堂」4代目・三島昭宏役)と合流。大地・松本を含めた4人が"高級料亭で会食しながら真央(真魚)の東大コンプレックスを聞く"という第3話で登場したシーンを見学。その感想として「大地さんって、フェイスガード越しでもすごい目ヂカラ!顔芸などいっぱい工夫して演じてくださり、ますますドラマが楽しみです」と興奮気味に話し、真理子先生は現場を後にした。原作の制作秘話や愛知の思い出・グルメなどを真理子先生に聞いてみた。
<原作者・林真理子インタビュー>
主演・大地に「あんなスターさんが本当に?」と不安に!?
Q. ドラマ化されると聞いた時の感想は?
本を出すと割とドラマ化のお話をいただきますが、それが実現するなんていうのは何10冊に1回あるかないか。この「中島ハルコ」も他からのお話はあったんですけど、「1年間預からしてくれ」なんてことが多くて...そんな中、東海テレビさんが「ウチの局で大地真央さん主演で作りたい」と言ってくださった。「あんなスターさんが本当に?」みたいな感じで非常に嬉しかったんですが、お友達のテレビ関係の人から「大体そういう時はすごいスターの名前を出すんだよね」と言われて少し不安になったりしたけど、ちゃんと実現させてくださって東海テレビさんは本当にすごいなと思いましたね。
Q. ハルコを演じる大地との面識は?印象は?
2度ほど対談しています。もうすごいゴージャスな美女っていう印象ですね。舞台も宝塚時代を始め、「ローマの休日」や「マイ・フェア・レディ」ほか何度も拝見しております。そういう意味では長年のファンですね。あと、ご主人といらっしゃる食事会で2度ほどお目にかかったことがありますが、とってもお似合いのカップルですよね。その時、大地さんのあまりの美しさに「何を召し上がっているんですか?」って聞いたら「イスラエルのハチミツ」と言って、後日それを送ってくださったんです。しかも、手書きのメッセージまで添えて...あんなスターさんなのに気遣いがすごいですよね。それに話題のCMも面白い!大女優の大地さんだからこそのおかしさと、何とも言えない可愛らしさがあって。コメディエンヌの才能もあるし、何やっても綺麗。特に「シェルブールの雨傘」に似せたCMの時なんか「本当に綺麗な方だなぁ」って思いましたね。
「いづみは私。『中島ハルコは実物だろう』はすごいショック」
Q. いづみを演じる松本についての印象は?
可愛い!最近ではドラマだけでなくバラエティーにもよく出てらっしゃいますよね。さきほど初めてお会いした時に松本さんが「こういう役は初めてだ」っておっしゃっていて、割と普通の常識的な女の子の役なんで(怪演封印で)どんなふうになるのか期待しています。実は私がいづみなんですよ。私はいつも人の後始末や嫌な思いをさせられている"いづみ役"なのに、ネットを見ていたら「中島ハルコは林真理子の実物だろう」って書かれていて「世間にそう思われているんだ」とすごいショックでしたね。そんな背景もあって、今回のいづみさん(松本)は可愛いすぎるし、ハルコさん(大地)は美人すぎるかな。私や編集部がイメージしていたハルコさんは、あんなゴージャスでエレガントな美女じゃなくて、もっと"おばちゃん"って感じだったので(笑)。
Q. タイトルに「最高のオバハン」と付けた経緯は?
単行本*がそんなに売れなくて、文庫を作る際に編集部の担当が「もうちょっと親しみやすいタイトルに変えたい」といくつか案を持って来た中から「これがいい!」って選びました。だって、すごいインパクトがあっていいじゃない。でも、出版社の営業会議では社内のおじさんたちに「おばさんたちに失礼だ」なんて非難の嵐で大反対されたらしいんですけど「私がいいって言ってんだから、いいわよ!」って、そのまま押し切ってもらったんです。このタイトルになってから東村さんがコミック化してくださって、売れ行きも伸びたし、こんなふうにドラマの機会までいただいて、本当に良かったなと思っています。私自身この作品はもっと読まれて欲しいなと思っていたのでね。
*『中島ハルコの恋愛相談室』『中島ハルコはまだ懲りてない!』(文藝春秋)
思い出の豊橋&年に何回か美味しい物を食べに来る名古屋
Q. 真理子先生にとって愛知や名古屋の印象は?
豊橋は大学の4年間毎年、吉田の手筒花火*を見に行ってたんです。大学のすごい仲良しが豊橋の人で当時、そのお父様が豊橋の商工会議所の会頭をやっていて、吉田神社の前の大邸宅に来る何百人て人にビールやお寿司を振る舞うのを見たり、そこから蒲郡へ泳ぎに行ったり、スキーに行ったりしてね。そうそう、豊橋ってうどんがめちゃくちゃ美味しいんですよ!それに家まで配達してくれるの、菜飯や田楽と一緒に...そういった思い出もあり、豊橋は私にとってものすごく土地勘があるところだったので今日(駅を)降りて懐かしく、嬉しかったですね。大人になってからは秋元康さんが年に1-2回、日本料理「得仙(とくせん)」でのあんこう鍋の会に招いてくれたり、この間なんか「日本で1番うまい天ぷら屋へ行こう」と言われて名古屋駅で集合したり。そんなわけで名古屋には美味しい物を食べるためだけに年に何回か日帰りで来ていますね。
*吉田神社で毎年7月中旬に行われる豊橋祇園祭。手筒花火はこの神社が発祥の地と言われている。
一般社団法人豊橋観光コンベンション協会のサイト
http://honokuni.or.jp/toyohashi/tezutsuhanabi/
http://honokuni.or.jp/toyohashi/festival/
「明るい物・楽しい物を求める時期にピッタリのドラマ!」
Q. 視聴者へのメッセージをお願いします。
「最高のオバハン」はとても楽しく書いた小説。最近の私の小説の中でもすごいコメディータッチで、皆さんから面白いと言われた作品だし、世間から「林真理子は最近、大家ぶっているけど、この作品は真骨頂だろう」なんて言われている作品です。その昔、ハルコのモデルになった女性にはいろいろなエピソードがありましたが、こんなふうにドラマ化されて、これでちょっと元が取れて良かったかな(笑)。今は世の中みんなが明るい物・楽しい物を求めている時期だと思うので、このドラマはピッタリじゃないかと思っています!