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アラフォー編集者が行くグルメシ!地方の旅 in 岐阜 Vol.7

#スポット

2022.12.01

飛騨・廃線路に思いを馳せて――

豪快マダムに連れられてやってきた岐阜リポートも残り2回。今回やってきたのは、岐阜県・飛騨市。その中でも最北端の神岡町です。
そもそも飛騨市は2004年の平成の大合併によって、吉城郡古川町、神岡町、河合村、宮川村が一緒になり誕生した都市。その中で鉱山の町として栄えていたのが神岡町です。

そんな神岡町には廃線となったひとつの鉄道がありました。それが旧・神岡鉄道。明治の中頃に完成した馬車軌道(神岡軌道)から歴史を持ち、鉱山の町を支え続けた神岡と富山を結ぶ全長19.9キロの奥飛騨の生命線でした。全線の6割がトンネルと鉄橋からなることから、「奥飛騨の地下鉄」とも称され、そこから見える景色はまさに壮大なスペクタクル!マニア垂涎の鉄道でした。

そんな神岡鉄道ですが、2004年に営業収益の8割を占めていた鉱山の貨物輸送がトラック輸送に切り替えられたことで、廃線が決定。ですが、定期券で乗車する最後の乗客の女子高生が卒業するまでは走らせようと、大人たちが奔走。彼女の卒業を見届けたあと、2006年に惜しまれながら廃線の日を迎えました。

そんな神岡鉄道の車両が、旧鉱山前駅の格納庫に保管されていたので、ちょっとだけ中を拝見させていただきました。
16年ほど前までは現役だった車両内部は、当時のままの姿。座席はベロア調の生地が貼られたボックスタイプで、山間部を走る際にその景色を左右どちらからでも楽しめたのではないかと想像も膨らみます。

設置された扇風機はTHE昭和なレトロ感!同じくレトロな温度計も発見!マイナス温度まで計測できるのは冬には雪で覆われる雪国ならでは!?

また雪国ならではという意味で感動したのが、囲炉裏が車両内にあるんです!
ふたつの炉を囲むように設置された座席はまるで暖を取るための待合所のよう。顔見知りの人も、そうでない人も、ここに集まり「いやあ、今日は寒いね」「ほれ、芋ふかしてきたから食わんかね?」と心も通わせていたのではないでしょうか・・・

せっかくなので、運転席も見せていただきました。
「手ブレーキ使用中」という札はどのタイミングで使っていたのかしら?(笑)鉄道に詳しくないので、詳しいことはわからないのですが、子供のころ、電車の先頭車両で覗き見た運転席と同じ空気を感じ、ちょっとノスタルジーにひたってしまいました。

夕焼けの中、母にせがんで先頭車両に行き、飽きることもなくずっと前を見続けていた思い出。目的の駅で降りてしまうのがもったいなくて降りるタイミングを逃し母に怒られたり、時折聞こえる運転手さんの声がやけに遠くから聞こえる感じがして、このままどこか違う世界に連れていかれてしまうんじゃないかって急に不安になったり(笑)
そう言えば、なぜか子供のころの記憶って夕方のイメージなんですよね……なんででしょう?

かつて標高850メートルほどの山間にある神岡町大津山地区には1500人ほどの鉱山関係者やそのご家族が住んでらしたとか。ただ1970年代には富山の方へ移転するなどし現在は無住状態。地図上からも大津山の名前は消えたそうです。
時代の流れとは言えあったものが喪われていくのは寂しいもの。そんな思いもあって、神岡鉄道は違う形になって今なお、現役のアクティビティとして活躍しているんです!それが、レールの上を自転車で疾走する「ガッタンゴー」!

普通なら電車しか走れない鉄橋なども自らペダルを漕いで走り抜けられる自然体感型アクティビティ!これ、本当に爽快のひとことです!
ノーベル物理学賞をもたらした宇宙素粒子観測装置・スーパーカミオカンデもここ神岡町にあるなど、時代が変わっても新たな魅力が増えていく。そんな飛騨に一度足を運んでみてはいかがでしょう?

※「最高のオバハン中島ハルコ」のドラマ内では「ガッタンゴー」に消滅危機が!?その模様は12月3日、10日放送の第9話、10話でご覧いただけます。

第1話から最新話まで全話配信中!

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