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アラフォー編集者が行くグルメシ!地方の旅 in 岐阜 

#スポット

2022.10.10

空前の刀剣ブーム!?刀匠の町、岐阜県関市

アラフォー編集者が行くグルメシ!地方の旅。とある豪快マダムに誘われやってきた“にっぽんのへそ・岐阜”レポの第二弾!

今回ご紹介するのは刃物の町・岐阜県関市。そもそも岐阜県関市のある美濃地方は、美濃伝と呼ばれる刀の5大産地のひとつ。伝(でん)とは刀工の流派のことで、美濃のほかには、大和国(奈良)、山城国(京都)、備前国(岡山)、相州国(神奈川)があり、美濃伝はその中でも最も新しい流派だそうで、室町時代後期から武士の主流となった軽量の打刀(うちがたな)の生産率が高いことも特徴なんだそうです。
※打刀の前は太刀(たち)が主流だった。馬上での戦いを想定しており、反りが大きく、長大なものが多い。

そもそも、刀はどうやって作られるのか。実は一本の刀は様々な職人の方の力が結集して作り上げられているんです。
まず鉄師と呼ばれる製鉄師が日本古来のたたら製鉄の技法で刀の原料となる玉鋼を作り出すことから刀剣づくりは始まります。玉鋼は自然には存在しない高純度の鋼。不純物が少なく作刀のための繰り返しの鍛錬にも耐えられるため、日本刀づくりには玉鋼が不可欠なんだそうです。

玉鋼が出来るといよいよ刀匠の出番。
炭を熱した火床(ほど)で鉄を温めては叩くを何度も何度も繰り返します。叩くことで純度の高い玉鋼から、さらに不純物を取り除き究極の金属とも言える日本刀が形作られていくんです。叩き手は「先手」「相槌」などと呼ばれ、主に刀匠のお弟子さんが担当するとのこと。慣用句の「相槌を打つ」の語源はまさかの刀鍛冶から来てたんですね!ひとつ勉強になりました!

刀が鍛造されたら、研ぎ師、鞘師、柄巻き師など熟練の職人さんの手が入り、ようやく一振りの刀剣が出来上がります。日本刀づくりは本当に技術の粋が集まった世界に誇るべき伝統工芸なんですね。

そんな刀鍛冶の世界……年々なり手が少なくなっているという問題があるそうで、とある刀匠さんは相槌を打つ人がいないのでおひとりで鍛錬をなさっているとのこと。
「そもそも第二次大戦中に軍刀の需要が多くなり、先手も5年ぐらい修業が必要だったので、機械が導入されたんですわ。電気さえ流しておけば勝手に打ってくれる。自分はずーっと小僧をやりながら師匠もやってる。雑用も全部自分。ひとり親方はそんなもん」

そんな中、昨今の刀剣ブームやアニメの影響で、若い女性や子供たちにも刀匠の仕事に興味を持つ人が増えたとか。
「社会科見学とかで刀剣の伝承館に小学生が来ることがあるんだけど、本来は小学生には刀の作り方とかは説明が難しい。でもアニメで玉鋼とかの予備知識があるのでやりやすい(笑)」
たしかに! アニメとかから得る情報って一生忘れないですもんね。漫画やアニメ、ゲームも日本が誇る文化で間違いナシ!

過去には女性の刀匠さんもいたとか。江戸時代の備中(岡山県)の女性で女国重と呼ばれた大月源のこと。16才で父と死別。伯父に引き取られた後、12代目甚兵衛国重と結婚したものの、甚兵衛が病気で鍛刀が出来なかったことから、家系存続のために刀工になったとか。刀剣女子が増えている昨今、もしかしたら令和の世にも女性の刀匠さんが誕生するかも!
ということで、最後に刀匠さんに刀づくりの面白さを聞いてみました。
「山が見えると頂上が見える。でも頂上に立つとさらに先が見える。わからんことをもっと知りたいという気持ちが刀づくりの面白さかもしれんね」
(編集K)

※グルメシ!in岐阜は12月まで不定期連載します。

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