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【番外編】アラフォー編集者が行くグルメシ!地方の旅 in 岐阜

#スポット

2022.10.24

番外編・絢爛豪華!名古屋の金ぴか高級仏壇!

アラフォー編集者が行くグルメシ!地方の旅。今回は岐阜!から電車で30分の名古屋にちょいと足を伸ばし大須観音のほど近く、熱田神宮につづく本町通り・通称「仏壇通り」にやってきました!何やら骨肉の女のバトルが繰り広げられているとかいないとか……
昼ドラも真っ青のドロドロ愛憎劇はひとまず置いておいて、今回ご紹介するのは、300年の歴史を持つ、名古屋の高級仏壇です!

江戸時代の元禄8年(1965年)、高木仁左衛門が仏壇専門店を名古屋の地に開いたことがはじまり。もともと、木曽地域に近い名古屋は良質な木材が集まりやすかったこと、そして、彫刻や漆塗りなど高度な技術を持つ宮大工ら職人の数も多かったことで、城下で「名古屋仏壇」作りが大いに盛り上がったそうです。

名古屋仏壇の特徴はまずは台が高い、いわゆる高台になっていること。これは、大小さまざまな河川が流れている名古屋は古くから洪水や高潮など大規模な水害によく遭っていたそうで、その水害から仏壇を守るため、台を高くしたのではないかと伝えられています。

もうひとつの特徴は、「ほぞ組み(ほぞ継ぎ)」という釘を使わない組み立て方式を使用していること。木材を凹凸に削り、それを組み合わせることでを組み立てるのですが、これは宮大工さんが得意とする技術なんです。釘よりも痛みも少なく、組み立て・分解も楽だからこそ、「仏壇の洗濯」も出来るんです!

「は?何言ってんの?仏壇の洗濯?」と思われた方!
そりゃそうですよね。あの大きなお仏壇をお洗濯って、言ってる意味、分かんないですよね? かく言う私も初めて聞いた時には頭の中でドラム式がグルんグルん回ってました(笑)「仏壇の洗濯」とは簡単に言うと古くなり汚れた仏壇を分解・洗浄・再仕上げをし、綺麗に蘇らせること。

写真を見て頂くと分かると思うのですが……お仏壇が本当にバラッバラに分解できるんです!それを新品作りと同じ職人さんがひとつひとつ丁寧に新たな塗りや彫りを施し、何十年、時には百年以上も前の金きらきんを再現!まさに新品同様の輝きを得た名古屋仏壇は究極のエコなのかもしれません!

さてさて、この「仏壇の洗濯」にはもうひとつの役割もあるんです!それは、失われた過去の技術を現代の職人さんたちが知る機会を作れるということ!
部品の一つ一つを分解することで、当時の技術が浮き彫りに……実際、お洗濯の現場を拝見したのですが、職人さんたちが集まって彫刻や漆の塗りの技術に見入り「これはマネできんわ」「でらすごいな」と呟いてらっしゃるのを目の当たりにしました。

人の技術はその人がいなくなればなくなってしまいます。でも、その技術は作られたものに宿り、何十年、何百年と受け継がれていくんです。

仏壇作りには八職と称される職人さんがいるのですが、(木地師、荘厳師、彫刻師、塗り師、外金物師、内金物師、蒔絵師、箔置き師の八職。名古屋仏壇の場合は他に天井師、呂色師、仕組師も必要)それぞれが技術を絶やさないことで300年の時を経ても伝統が受け継がれているんですね!

最後に、現仏壇店の社長さんに、伝統を守るため?に毎日欠かさずやっていることを伺いました。

「朝起きたら店の前を掃除することですかね。トイレも店主の自分がする。若い時、お寺でも修行させてもらったが、その時トイレ掃除とかもさせてもらった。雲水さんは素手でトイレ掃除していて、「これをやるのか……」と思ったが、そんな私の気持ちが分かったのか、運水さんが「毎日やっているから汚くありませんよ」と仰った。毎日やらないと汚れる。それをいつもやること。毎日やることで大変が大変ではなくなる。これがフツウのこと。変えちゃいけないことかな」

んーーー、人生にも当てはまるありがたい言葉!
すぐに仕事をためてしまうものぐさな私ですが、自分で自分を大変にしていたんですね。毎日少しずつやることにします!!!
(編集K)

※グルメシ!in岐阜は12月まで不定期連載します。

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