小麦や卵など
「主要アレルゲン27品目」不使用のチョコレートを
取材しました。
作っているのは、岐阜県・各務原市にある「アレルゲンフリーフーズ」
社長の可児浩二さん(66才)は、地元の老舗チョコレートメーカー・日幸製菓の社長を退任した後、食物アレルギー対応のチョコレートを専門で製造する会社を設立しました。
一般的なチョコレートには、ミルク(乳)や、乳化剤(大豆が含まれているものが多い)が使われているため、これらのアレルギーがある人は食べることができません。
また、他の商品と同じ製造ラインを使用した場合、機械に微量の小麦粉等が残ってしまうことがあり、アレルゲンの混入を完全に防ぐのは難しいそうです。
そのため、重度の食物アレルギーでも安心して食べられる食品を提供するには、アレルゲンが決して混入しない"専門の製造ラインや工場"が必要となります。
しかし、市場規模に対する生産コストやリスクの面などから、
アレルギー対応食の製造・販売に参入する企業は多くはありません。
この現状を知った可児社長は、
「たとえ利益が少なくとも、その商品を必要として待ってくれている人が少しでもいるのであれば、これまで人生を捧げてきたチョコレート作りの技術で、その人達の役に立ちたい。チョコレートを通して、誰かの笑顔に貢献したい。」と考えたそうです。
アレルギー対応のチョコレートのみを製造するこの専門工場は、
週に3日の操業で、60~80代のシニアが働いています。
万が一の混入がないように、
お弁当などの持ち込みは禁止されているため、お昼までの勤務。
和気あいあいとしていて、とっても明るい雰囲気です。
この工場で作っているのは、ミルクが入っていなくても
子どもたちが食べやすい"甘いチョコレート"
生地の熟成工程などを工夫し、
試行錯誤の末、渋み・酸味・苦みを飛ばし、
"甘み"と"まろやかさ"を感じやすいチョコレートにたどり着きました。
その味は、一般的なミルクチョコレートと変わらない美味しさです!
重度の食物アレルギーがある小学1年生のひでよし君も取材。
食事にアレルゲンが混入しないように日々家族で細心の注意を払い、
また、アレルギーを克服できるよう負荷試験にも取り組んでいます。
そんなひでよし君も、妹やお母さん、家族と一緒に、
笑顔でこのチョコレートを頬張っていました。
ひでよし君が七夕に書いた願い事・・・
このチョコレートのように、みんなで一緒に食べられる
アレルギー対応商品が増え、
いつかその願いが叶う日が来るといいな・・・と思います。
#浦口企画