「もう一度、あの子に会いたい。」
「あの子に触れてみたい。」
そんな願いを叶え、"いのちの輝きを形にする"木彫家がいます。
はしもとみおさん。
三重県・いなべ市の古民家で、動物の彫刻を制作しています。
材料となるクスノキの爽やかな香りに包まれたアトリエは、
愛らしい動物の作品でいっぱい。
光を宿した目、いきいきとした表情。触れると柔らかそうな毛並。
いまにも動き出しそうな作品ばかりです。
もともと獣医師を目指していたはしもとさんが
彫刻の道に進むきっかけとなったのは、『阪神淡路大震災』でした。
はしもとさんは、当時高校生。
大好きだった景色、可愛がっていた近所の動物たちが、ある日ふっとなくなる経験。
当たり前だった日常の風景、そこに存在していた命の美しさに気づきました。
そして、「彫刻家」を志します。
「失ってしまった命を医学で取り戻すことは不可能。でも、
彫刻という力を借りれば、その姿を残すことはできる」
作品は、動物の"ありのままの姿"をとらえることを大切にしています。
モデルとなる動物の座り方のクセや仕草など、細かい個性も表現。
「ブサイクな子はブサイクに、土で汚れた子は汚れたままで。その全てが可愛いんですよ~」
少女のように笑うはしもとさん。
「そのままのあなたで良いんだよ」という優しいまなざしが感じられます。
だからでしょうか、作品と向き合うと、
なんだかとても穏やかな気持ちになれるんです。
動物たちの作品は、日本各地を旅しています。
2月25日(日)までは、名古屋市東区のヤマザキマザック美術館(地下鉄東山線「新栄駅」直結)
で展示中。
▽取材でお世話になった志水さんご家族の愛犬・"りん"と"ジャスミン"も・・・
アール・ヌーヴォー様式のおしゃれな調度品に囲まれて、ちょっとすまし顔?に見えました。
触れる作品もありますので、頭をなでてあげてくださいね。
皆さんはどんなことを感じるでしょうか。