もし、10年後に命が尽きるとしたら、
残された時間をどう生きますか...。
その答えを考えずにはいられない映画を見ました。
映画「蜩ノ記」(ひぐらしのき)
10年後の切腹を命じられた主人公が、
夫として、父として、師として、愛に溢れた日々を過ごす様を、
美しい風景の中に描いた作品です。
主演・役所広司さんと、小泉尭史監督とご一緒に。
小笠原流の武家の礼法や、書道などのお稽古をしたり、
当時の書物を読んだりと、
撮影の一年ほど前から、じっくり役作りの準備をされたとのこと。
「日本人の美しき礼節と絆」が丁寧に描かれています。
映像の美しさはもちろんのこと、
深く印象に残るのは、日本語の美しさ。
原作は葉室麟さんの直木賞受賞作品 です。
小泉監督が手掛けた脚本、
その台詞を明瞭に発する、役所さんの深みのある声のトーン。
研ぎ澄まされた言葉が耳に心地よく、
ひとことも聞き漏らしたくないほどです。
言葉を生業とする者として、私も背筋が伸びる思いでした。
映画「蜩ノ記」は、10/4(土)公開です。