桜は『咲く』が、梅は『ほころぶ』もの―
アナウンサーとして大切にしている表現のひとつです。
まだ寒さの残る中、固いつぼみが和らぎ、
ほろっと開きかける奥ゆかしい様が目に浮かびます。
そんな梅の花は、ここ数年桜よりも気になる存在になりました。
今年の梅見は京都にて。
その名も、梅宮大社。
京都駅からバスに揺られて40分ほど。
街の中心部から離れているため、ゆったりと梅見を楽しめます。
安産や子宝の神様も祀られている梅宮大社。
産め=うめ=梅というわけで、絵馬にも紅白の梅の花が。
私が訪れたのは先々週で、満開を迎える前でしたが、
現在は遅咲きの梅が散り始め。
ごく遅咲きのものは七分咲きとのことです。
香りが楽しめるのも、梅の好きなところ。
神苑には35種類もの品種の梅の木が。
それぞれ香りの強さや特徴が違うような気がして、
片っ端から顔を近づけ、香りを確かめてみました(^o^)
遅咲きの品種の木々。
角ばったシャープな枝ぶりも、梅ならでは。
「枝だけでもこんなに見応えがあるのか!」と、嬉しい発見です。
その根元には、こちらも春を告げる水仙が。
どちらも、まだ花をつけていなかったからこそ気づけたこと。
ポロリと落ちた花を、誰かが拾ったのでしょうか。
「梅一輪 一輪程の あたたかさ」
有名な俳句を思い出します。
寒さが残る中、春を告げる梅のけなげさ...
梅の良さがわかるようになったとは、
私も少しは人生の機微を感じられるようになってきたのでしょうか。